今までで最もシンプルな機械学習の説明
機械学習や人工知能(AI)について聞いたことがある人は多いと思いますが、一体何なのか、本当に分かっていますか?理解に苦しんでいるのは、あなたひとりではありません。何が科学で何が SF か分からなくなるような話題が少なくないのも事実です。まずは定義から見てみましょう…
機械学習とは要するに、ラベル付けの方法、です。
私は統計学者と神経科学者としての教育を受けましたが、私たち統計学者は、最も素っ気なくてつなまらない名付けをすることに定評があります。その名の通りの働きをするものが好きなのです。機械学習を何と呼びたかったと思いますか?「モノのラベル付け」!
一般の通念とは異なり、機械学習は魔法のかかった魔法の箱ではなく、ベンチャー投資金額3兆円の理由でもありません。根本的に、機械学習はモノについての説明を受けて、何のラベルを付けるべきか教えてくれる、単なるラベル付けの方法なのです。と言うとハッカーニュースで読むよりも随分つまらなく聞こえます。でもそもそもラベル付けと呼んでいたら、このトピックの記事を読むほどの興味を持っていましたか?たぶんそうではない、ということは、このテクノロジーに値するだけの注目を集めるのに多少のマーケティングと華やかさは必要だということでしょう(あなたの思うのとは別の理由かもしれませんが)。
機械学習は素晴らしく便利ですが、それほど SF 的ではありません。
人工知能(AI)はどうでしょうか?学者たちが AI とそうでないのものを議論する中、業界では機械学習の一種の呼称として使われています。実際には多くの人が区別せずに使っていますが、それでもまあいいでしょう。AI もまた、ラベル付けの方法なのです。ロボットを期待していましたか?SF 的な、思考力を持つ、人間の形をしたものを?現時点の AI はそうではありません。でも私たちは何にでも人間的な特徴が見える種です。トーストが顔に見え、雲が体に見え、ボタンを2つ縫い付けた靴下には話しかけかねません。その指人形は人でなく、AI でもない − 大切なのはこれを覚えておくことです。がっかりですか?顔を上げて!本物はもっとずっと便利です。
なぜワクワクするべきか、説明しましょう。この写真には何が写っていますか?
たった今、あなたは感覚的にけっこう複雑なデータを取り込んで、まるで魔法のように、「猫」とラベル付けしました。なんて簡単だったでしょう!ではコンピューターに同じことをさせたい場合、つまり写真を猫・猫以外に分類(ラベル付け)させるには?
機械学習はプログラミングの新しいパラダイムであり、コンピューターにあなたの願望を伝える新しい方法なのです。
今までのプログラミングの方法では、プログラマーがピクセルとラベルについて熟考し、宇宙と交信し、閃きを起こし、ようやくモデルを自作していました。モデルとはレシピのおしゃれな言い方、つまりコンピューターがピクセルをラベルに変換するための一連の指示です。
でもそれがどういう指示になるか、考えてみてください。このピクセルを実際どうするのでしょうか?表現できますか?脳は長い年月をかけた進化の恩恵を受けて簡単に処理しますが、どう処理しているか人は認識していません。そのレシピを作り出すのはけっこう難しいのです。
指示ではなく、例を挙げて説明しましょう。
それよりもコンピューターにこう言えたら良いではないでしょうか、「はい、いっぱい猫の例を見て、いっぱい猫以外の例を見て、あとは自分で何とかしてね」?これこそが機械学習の本質です。まったく違うプログラミングのパラダイム(枠組み)なのです。明確な指示を与える代わりに、例を挙げてプログラミングして、機械学習のアルゴリズムがデータからパターンを見つけ、あなたが書けなかったあの一連の指示に変換してくれるのです。レシピを自作する必要はもうありません!
AI は説明し難いことを自動化できるのです。
このことになぜワクワクするのでしょう?これは今までできなかった方法で、コンピューターに願望を伝える方法です。コンピューターに何かしてもらうのは皆大好きです。でも考え出すのが難しい指示を、どう指示すればよいでしょう?説明が難しいことだったら?
AI と機械学習とは、説明し難いことを自動化することです。指示の代わりに自分で例を挙げて説明することです。これによって、今まで指示を伝えられないがためにコンピューターの助けを借りられなかった大量の種類のタスクが可能になります。これからはこのようなタスクすべてが可能になります − 機械学習は人類の進歩における基礎的な飛躍の象徴です。機械学習は未来であり、未来はもうここにあるのです!